御在所岳に挑戦 その3

標高1000mを過ぎると登山道は雪道となった
強風が少し収まってきたので、再び山頂を目指してあるき出した。
7合目をこえて間もなく、登山道が残雪に覆われるようになった。

持参したモンベルのチェーンスパイクを装着し、これで少し安心と思い登っていったが、残
雪の深さが金剛山と比べるとかなり深く、チェーンを装備しても傾斜がきついとズリッと滑ってしまう状況だった。
滑るし風は吹くし状況は散々だが、広がる景色は抜群に素晴らしく、鎌ヶ岳が凛々しくそびえている光景は中道ならではであり、それが魅力なのだと妙に感心してしまった。
鎌ヶ岳は山頂の尖り方が実にいい
山頂前の最後の注意箇所となっている岩場にやってきた。
岩の片側は遮るものが全くない落差100mくらいある崖で、高度感だけでも恐ろしいところである上に、残雪が日中に溶け夜に再び凍っている箇所が多数あって、チェーンスパイクでは全く歯が立たない。
岩や鎖を頼りに絶対に滑り落ちないよう何とか通り過ぎた。

岩の先は何もなく少しでも気を抜くと危険
写真ではわかりにくいが、岩に氷がへばりついていてツルツル
やっとのことで岩場をやり過ごしたが、その直後の登山道が傾斜の急な残雪の直登となっていて、ここで滑り出すと下の岩場から崖にダイブすることは間違いない状況だった。
とにかく滑らないよう、四つん這いになりながら、木の根や岩をつかみ夢中で登っていった。このあたりは怖くて写真を撮る余裕もなかった。
富士見台は強風だったので近づかなかった
登りきるとついに山頂エリアに到着した。
富士見台からの展望は強風が怖くて立つ気になれず、とにかく無事にここまでたどり着けたという安心感でようやく一息つくことができた。
登山道とは様子が一変し整備されたエリアとなっている
日陰はこのような分厚い氷である
ここは本当の山頂ではない
山頂エリアはロープウェイで容易に来られるため観光地っぽい雰囲気で、死ぬ思いで苦しんできた状況と落差に驚いた。
一等三角点までは20分ほどの距離で、スキー場をゆっくり歩いていると、ロープウェイで上がってきた普段着の家族連れに写真撮影を頼まれ、苦笑いするしかなかった。

こでファミリーに写真撮影を頼まれる
ついに本当の山頂へ到着
スタートから色々あったものの、山頂に無事到着し、下りはロープウェイにするか裏道にするか悩んだが、天気もよく風も収まってきたので裏道なら大丈夫だろうと判断した。