Golf5とチャイルドシート

Golf5のシートベルトは、いわゆる「チャイルドシート固定機能付シートベルト」ではない。一方でISOFIX取り付けアンカーがあるので、ISOFIX仕様のチャイルドシートであればきっちりと固定出来るということになる。ここではこのことにまつわる奇妙な実態を述べてみたい。

現状のチャイルドシートをめぐる日本の奇妙な問題とは、ISOFIX仕様のチャイルドシートは車種とセットで国土交通相の認可を受ける必要があることにある。どういうことかというと、チャイルドシートを製造しているメーカーがISOFIX仕様の認可をうけるためには、その製品を販売したい車種にそれぞれで試験を受ける必要があるということになる。

だが、現実にはそんなことはコスト面から不可能であるため、汎用品のチャイルドシートにはISOFIX対応のものが存在しないのである。つまり、ISOFIX対応チャイルドシートとはメーカー『純正』のものしか存在せず、それも多くの場合は1種類のみであり、それを購入できるのは『ディーラー』だけということになり、それらは往々にして非常に高価なのである。

ISOとは国際標準規格のことで、ISOFIXが必要となってきた背景には従来のシートベルトでのチャイルドシートの取り付けミスを防ぐための装置の規格を統一しようという経緯があったからである。その本来の主旨目的を考えると、車種とセットで試験を受けた上で認可をもらわなければ販売できない事実はどう考えてもおかしい。そもそも自動車事故対策機構(独立行政法人)が毎年発表しているチャイルドシートアセスメントは、トヨタ・エスティマでの実験結果を発表しているしね。

ということで、誰にとっても幸せにならない意味不明な規制のために、高額な純正を購入するか、汎用品チャイルドシートをGolf5のゆるゆるシートベルトで固定するという事実を受け入れるか、ある意味ですごく嫌な選択を迫られるのである。

それにしても、どういう利害(利権)が働いているんだろうと邪推してしまう :-(